初恋+one
そのままグルグル歩き回ってるけど、
一向に音は聞こえない。
もう諦めて帰ろうとしたそのとき。
見つけた。
木に隠れてひっそりたってる
―――体育館第二倉庫を。
「え゛・・・・・これが第二倉庫?」
明らかに曇った柊の声。
目の前の倉庫は、
まるで立て壊し前の廃墟。
校舎からは完全に離れた場所に立っていた。
「・・・・なんかでそうだよね」
「たしかに・・・・・」
とりあえずそこまで行き、
さび付いた扉をゆっくり引いた。
ギギギギギギギ・・・・
まさにホラー。
青い顔した柊は、
俺の後ろにピッタリくっついてる。
ゆっくり足を踏み入れると、
どこからか風が漏れてきていて肌寒い。