初恋+one
ひんやりとした空気が、
あたしの無防備な頬をくすぐる。
辺りがうっすらとしか見えない、
真っ暗な空間・・・・・・
――――何でこんなことに?
「ちょっと何!?
開けてよ! 開けろー!!」
ついさっきまで静かだった部屋は、
あたしの助けを呼ぶ声と、
壊れるくらいに叩いてる扉の音で一気に騒がしくなった。
「ちょ・・・・・落ち着けって、柊」
「無理だよ! こんなの無理だよ!!
だってこんなの・・・・・やだぁああああ!」
「やだって何だよ。やだって!」
「死んじゃうーっ!」
【高校生男女2人、体育館倉庫にて死体で発見】
の、見出しが頭をちらつき、
扉を叩く力をさらに強める。
高校生で死ぬのはいやだー!!
「やめろって!!」