初恋+one
ヘタレな俺に、
いい加減、嫌気がさしてくる。
もういい。
柊が、誰を好きでも関係ない。
俺は―――――
――――まだこんなに柊に惚れてる。
“想いを伝える事が大切”
自分の胸にもう一度その言葉を叩きつけて、まだいるであろう柊の元へ駆けつけようとした。
そのとき。
「――――貴大ッ!」
・・・・・・え?
背中に感じる微かな温もり。
確かに聞こえた柊の声。
俺のおなかに周る小さな手。
モノクロな俺の世界。
一瞬だけ、
カラフルな世界に戻った気がした。