初恋+one
張り裂けそうなくらいに高鳴る心臓。
このドキドキは、
もうきっと貴大にも届いてる。
それでも、
あたしは抱きしめる手の力を緩めない。
もう好きな人はいないって言った、
本当なら、
それは喜んでいいんだと思う。
だけど、何故か胸が痛んだ。
“貴大があたしを好きになる訳ない”
本当に自分でもそう思ってたつもりだけど、
実は違ったみたい。
心のどこかで、
期待をしちゃってる自分がいた。
もしかしたら、
貴大の好きな人はあたしかもしれない。
そんな訳ないのに、
そう自惚れてた自分がバカみたい。