初恋+one
貴大の名前を呼ぶと、
あたしを抱き締める腕が強まった。
「俺、だせぇな。
柊ばっかに頑張らせてる・・・・・」
あたしの耳をくすぐる、
甘くて低い、大好きな貴大の声。
ダイレクトに伝わってくるその声で、
あたしの目はもう大惨事。
目からは涙が止まらない。
「俺だって柊が好きだよ。
多分初めて話したあの時から、
もう柊に惹かれてた・・・・・・」
切なくて、胸がきゅんとしちゃうくらい。
甘い、甘い声に包まれる。
いいのかな?
そんなにいいことばっかり言ってもらっていいのかな。
お願い。夢なら覚めないで。
ゆっくり離れる貴大。
見上げた顔は、
優しく微笑む貴大。