初恋+one




「ふっ、すげー泣いてる」




小さく笑いながら、
指であたしの涙を拭ってくれる。





「貴大・・・・・・・」


「ん?」


「好き・・・・・・・」




一瞬目を見開いて、
恥かしそうに笑いながら





「俺も」




そう返してくれた。



何度も涙を拭ってくれるのに、
何度も溢れる涙。




目にあった貴大の手は、あたしのおでこに移る。




そっと前髪を分けると、
そのまま手が頬に下りてくる。



熱い頬に、冷たい指先が気持ちいい。





気付けば、



あたしのおでこに貴大の唇が振ってきた。




そっとあたる、
手とは裏腹に暖かい唇。



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