初恋+one
体勢を元に戻して、
柊の顔を見るとやっぱり泣いてた。
そしてもう1度視線を柊から外す。
相談されたはいいけど・・・
俺そんなの全くわかんねー!!
こんな年になりながらいまだに
“恋愛経験ゼロ”。
こういう時なんて言っていいか、
全くといいていいほどわからん。
焦って何を言うか考えてたら頭に浮かんだ方法。
俺がどうしてもらったら嬉しいか
言えばいんじゃね?
ピコーン。
ひらめいたことをナイスアイディア!
と考え、もう1度柊を見つめる。
「お前の想いは相手に伝えたのか?」
「・・・・・・ぇ?」
涙を手で拭いながらかすれた声で返事する柊。
「相手は柊が自分の事を好きだって知ってんのか?」
「知ってるわけないじゃん。
言ったこととかないもん・・・・・・・」