初恋+one
「・・・・・・ぁ」
うーん、もう少し・・・・
「のぁ・・・・・」
もうちょっとだ・・・・・・
「乃亜ッ!!」
「けぇぇ~」
あたしを呼ぶ声に、
夢虚ろのままびっくりして起き上がる。
あたしの寝ていたすぐ隣にいたのはあかり。
良く見ると、ベッドの周りのカーテンは開けられていた。
そこから見えて時計は既に昼休み。
美術の時間が終わったところだった。
「乃亜、またサボりでしょ?」
きょろきょろ周りを見渡していたあたしの顔を覗き込んで、呆れたような顔をした。
だって、しょうがないんだもん。
ぷぅっと頬を膨らませて、
あかりから視線を外す。
美術の似顔絵の相手が青木君じゃなきゃちゃんと出てたもん。
膨れっ面のあたしの頬をプスッと押して、
「単位たんなくなっちゃうよ」
といった後に小さな小さな声で、
「貴大もね」と呟いた。
え・・・・・・・・?