初恋+one
「違う、違うよ・・・・・・・・」
首を何度も横に振る。
自分で気持ちを確かめるように
首を振るたびに、布団の擦れる音がする。
こんなに心配してくれてるあかりに、
何故だかすごく胸が痛む。
だって、少し前まであたしと旬のこと応援してくれてたんだもん。
そのあたしがこんなに簡単に、
諦めちゃいけないよ。
たとえ、無理してでも・・・・・・・・
『無理して、でも・・・』?
「はぁー・・・・」
あかりの溜息にビクッと体が反応した。
顔を上げると同時にあたしの手からあかりの手が離れた。
ベッドから立ち上がって、
少し離れたところにある机から
教科書を手に取るとあたしの方を向いて
「乃亜が違うなら、いいんじゃない?」
と、なんともあっさりした答えが返ってきた。
「へ・・・・・・・?」
ぽかんとしながら、
そのまま机に腰掛けるあかりを見つめる。