初恋+one
「あのさー思ってたんだけどね?」
「んー?」
「なんで、“貴大”?」
そうだよ。前まで“青木君”だったじゃん。
何時からそんなに仲良しに?
なんて疑問が、さっきからあたしの頭にはチラついていた。
うまく伝わってないのか、
あかりの頭からはハテナが飛んでいる。
「いつから呼び捨てになったの?」
もう1度わかりやすく言ってみると、
わかったのかひらめいたように話し出した。
「あー、美術って森ちゃんでしょ?」
「森嶋せんせ?」
「そう。あの人なんかいっつも準備室にこもってるから、みんなしゃべりまくってさー」
「それで、仲良くなった感じ?」
「仲良くって言うより、
青木がクラスに2人も居るとややこしいでしょ」
なるほど、青木が2人か・・・・・
考えてみれば2人居る、様な気がする。
もう1人の青木君の顔が思い出せないという、ハプニング発生。
必死に顔を思い出そうとしていると
「乃亜も貴大でいーじゃん」
飄々とあかりが言い放った。