初恋+one
「だいたい、あかりが
見せてくんねーのが悪いんだ」
拗ねたように口をとんがらせて、
プリントを睨んでいる創平。
授業が始まる前に買ってたらしい
紙ジュースのストローを噛んでいる。
この話を糸口に、
俺が疑問に思っていたことを言ってみた。
「お前って林と付き合ってんの?」
ブシュッ
言った瞬間に、
創平が持っていた
紙ジュースのストローの隙間から、
液体が零れてきた。
もちろん下にあった俺のプリントは大惨事。
「何やってんだよ!!」
「あ・・・・・・・」
いそいで創平からひったくったが、
時既に遅し。
べっとりとストレートティーが染みていた。
「おい・・・・・・(怒)」
「あはは、ゴメンゴメン。
思いっきり強く握っちった!」
「あのなぁ」
声から怒りを感じるほど、
腹のそこから低い声を出した。