初恋+one
「ねぇ、乃亜って貴大と仲いいよね」
みんなでトランプをしている最中、
あたしのまん前に座っていたのんちゃんが
思い出したようにあたしに言った。
「へ? あたし?」
「そう! 乃亜!! そう思わない?」
のんちゃんがみんなに言うと、
次々とみんながトランプそっちのけで話し出す。
あたし1抜けっぽかったのに・・・・
もうトランプに戻ることはないだろう。
「あたしも思ってた!!
もしかしてさ、付き合ってる?」
「つ、付き合ってないよ!」
「うっそ~。付き合ってると思ってた」
「ないないっ」
「でも、あたし的にはぁ~」
「ちょっとあかりッ!!」
ギャーギャー騒ぐ中、
周りのみんながチラチラあたし達を見てる。
「ほんとに! ほんとに違うから!!」
手をパタパタ動かして、
みんなに説明するも・・・聞いてない。
勝手にどんどん話が膨らんでる・・・・・
かなり居心地が悪くなってしまった。