初恋+one
「見てぇ!! 貴大こっち見てない!?」
「うっそ! マジで?」
「乃亜サン! どうすんの?どうすんの!?」
「~っどうもしないもん!!」
赤い顔を隠すように席を立って、
教室のドアのところまで歩く。
「乃亜ちゃ~ん? 怒った?」
「怒ってないよ」
「じゃ、どこ行くの~?」
「トイレッ!!」
トイレに向かいながら、頬に手を当てる。
熱い・・・・・・
あぁいう話って苦手かも・・・・
ふぅっと溜息をつきながら、
トイレの鏡を見るとやっぱり赤い。
『乃亜と貴大って仲いいよね』
ふとのんちゃんの言葉が頭をよぎる。
・・・・・・まさかね。
あたしは旬が好きだし。
それを貴大に相談したし・・・・
貴大があたしを好きになる訳ない。