初恋+one




そう思っているものの、
胸がドキドキして落ち着かない。





もしかして本当にあたしのこと・・・




「いや、違うでしょ!!」





トイレで1人叫ぶあたし。



あたしの声の所為か、
掃除ロッカーの中のほうきが倒れる音がした。



落ち着け、あたし・・・・・



いつからそんなに自意識過剰になった?


そんな勝手に思ったら、
貴大にも悪いじゃんかっ!!



頬をぺちぺち叩きながら、

「正常に戻れ・・・・・」と呟く。



顔の赤みは引いたものの、
今度は叩きすぎて赤くなってしまった。



ゆっくり廊下を歩く。




教室の前で大きく息を吸うと、
「よしっ」と自分に気合を入れなおして、

静かに教室のドアを開けた。




「わっ、びっくりした」


「あ、ごめんね?」



ドアを開けると、
目の前には真美ちゃんが立っていた。


< 76 / 255 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop