初恋+one
目の前には真美ちゃんがきょとんとあたしを見ていた。
「え・・・っと、おめでと!」
とっさに笑って見せた。
真美ちゃんはあたしが旬を好きなことを知らないから、ここで変に反応できない。
「はぁー、本当によかったぁ」
「あ、ははは・・・・」
ココまできたらもう後戻り出来ない。
最後までこれでやり通すしかない。
「前に乃亜ちゃんが、
旬の事好きだって聞いたことあってね」
「そうなのー?」
「でも、乃亜ちゃんには貴大がいるもんねー♪」
なっ・・・・・・!
ぼっと顔が赤くなる。
「ちょ、やめてよー!!」
「あはは♪ 顔が赤いー」
「もうー!!」
「あはは。じゃね、あたしトイレ行くから」
ニコニコしながら、
手を振って真美ちゃんは教室から出て行った。
本当にこの噂広まってるんだ・・・
胸がドキドキしてしょうがない。