初恋+one
「あたし、メールしてみるね?」
巾着の中から携帯を取り出して、
ありえない速さで指を動かしていた。
柊は黒字に淡いピンクの花柄の浴衣を着ている。
浴衣だからか何なのか、
髪の毛を上のほうに上げて団子にしてる。
髪をあげている所為で、
いつもは長い髪で見えないうなじが丸見えだ。
浴衣が黒い所為か、
うなじの白さが際立っている。
これがアレか。
林がショッピングモールで俺にこっそり言った
“浴衣効果”
なんか・・・・・・
変な気分になってきたわ。
柊をじっと見ていると、
「たこ焼きのとこにいるって!」
いきなりこっちを振り向いた。
「へっ? あぁ・・・うん」
やっば、見すぎた・・・・・・
口元を覆って、柊から目をそらす。
柊はそんなことを気にもせずに、
たこ焼きのところに向かい始めていた。