初恋+one
泣いてることろを見られたくなくて、
貴大に何も言わずに走り出してしまった。
花火を見るとき、
実は貴大の事を見ていた。
でも、目が合うことはなくて。
なんだか寂しそうな顔を貴大ばかりがあたしの目に映った。
ココにいるのが、
あかりじゃなくてあたしだから?
貴大は花火を見ているはずなのに、
ココにはいないあかりを見ているようで
なんだか胸が痛くなった。
理由なんてわからない。
あたしが理由を知りたいくらい。
一瞬、きゅっと痛くなって、
後からじわじわ痛み出した。
空を見ると、
もうとっくに花火は終わっている。
巾着から携帯を出すと、
貴大からの着信が3件、メールが2件来ていた。
心配してくれてるのかな?
いきなりいなくなって、
びっくりさせちゃったよね・・・・・
貴大に電話をかけようとしても、
通話ボタンを旨く押せない。
通話ボタンに指を置くたび、
どっとたくさん涙が出てくる。
今話しても、きっと泣き声で旨く話せない。