好きと嫌いの割合
「夏帆!」
教室内を見渡していたあたしに
ポンッと肩を叩いた亜美は
「あそこだよ」とある場所へと指を指す。
亜美の指の先にあったのは呆れるほどの女子の集団。
その中心に海斗がいるんだってことは
甘い声で話し掛けている集団の声で分かった。
「なんか行きづらいんだ――‥」
そう言いながら亜美の方へ視線を送ると
佐賀くんだとかいう人と仲良く話している真っ最中。
海斗と佐賀くんは同じクラスだったのね
あんなに上機嫌だったのはこのせいか。
……納得。
付き合ってるんだろうか?あの2人。