好きと嫌いの割合
気づかれない、なんて思ってなかったけど
むしろ、気づくだろうなって思ってたけど!
そんな大声で言わなくても…
完全に聞こえてた海斗の声を聞こえないフリして
帰ろうとしたけど、
グッと腕を掴まれ
「どうしたの?」
・・・もう、逃げられなくなった。
完全に席から立っていて、
あたしの方に向き直っている海斗は
真っ直ぐあたしの方を見ている。
えぇ…。
ここまでは考えてなかったんだけどっ!
まさか海斗がここまでするとは思わなくて
カンペキに予想外な展開にあたふたしていると、
「夏帆、こっち」
腕を掴まれたまま呼ばれた。