好きと嫌いの割合
やっぱり男の人にはかなうわけがなくって
力に逆らえないまま海斗の後を追う。
「か、海斗…?」
近くで騒いでいた女子たちを掻き分け
あたしを連れ出す海斗はどんどん足を進める。
たびたび海斗を呼びかけてみても
なに1つ返事が返ってこない。
古びた階段を上がり
ーーートンッ
と、ジャンプしたような音1つ。
その音はまぎれもなく、海斗のもので。
急に引っ張られる力がなくなったと思い
静かに顔を上げると、上から差し込む光で
ここが屋上だと分かった。