好きと嫌いの割合
少し生暖かくなった風がふわーっとそよぎ
そのたびに揺れる海斗の髪くらいで
ドキッとしてしまうのは、あたしがおかしいんだろうか?
ーーーどうもスキと意識してから
あたしの中で海斗が異常に美化されてる気がしてくる。
に、しても。
「どうしてここに来たの?」
腕を掴まれ、長い階段を上らされ、
挙げ句、当の本人は‥
「んー」なんて呑気に欠伸しながら
あたしのことはもう放置。
って、おいっ!