好きと嫌いの割合

「じゃあね~」


海斗は厄介な種をまいて去って行った。



その種が芽を出すのは

海斗が姿を消してからで・・・


「ねえ、夏帆

 海斗くんと知り合いだったの??」


亜美がすっごい勢いで聞いてきた。


「ちょっと!どういう関係?」

「えっ?いつからよ!!」

「海斗くんに告ろうと思ってたのにぃ~」


亜美に続いてクラスの女子も一斉に騒ぎだす。


一斉に話されて何から話せば…

って、話すこともないんだけど。


「「ねえ、夏帆!!!」


全員の声が揃い、やっとあたしがしゃべれるようになって


「勝手に言いすぎだから!

 何にもないの!」


しっかりと全ての質問を全否定した。


一瞬、静かになったと思って

一安心したのもつかの間。



< 13 / 160 >

この作品をシェア

pagetop