好きと嫌いの割合

「同意…しちゃったんだ」


「雅也さんにはいろいろお世話になってたし…さ?」


なにがいろいろなのよ!

なんのお世話になんのよ!


言いたいことはたくさん浮かんできたけどこれでハッキリした。



海斗はあたしが好きで近づいたわけじゃない。



どこからか流れ込んでくる感情にグッと奥歯を噛みしめた。


スッと海斗から目線をずらせば、

帰ろうと背を向けて歩く挑戦状女の姿が目に入る。


いつの間に話したんだろうか―。


そんなことを考えて考えて…


なにかを考えてないと、

あたしの感情が溢れだしそうで怖かった。



< 143 / 160 >

この作品をシェア

pagetop