好きと嫌いの割合

「…どこ行くの?」


「んー、トイレ。」


絶対に目を合わさない海斗に苛立って

「ねえ。」と海斗の服の裾を掴んだ。


ビクッと止まる海斗の足。


そんな海斗にあたしはなんていうつもりだったんだろう。

何も考えずに…ただ引き留めたかった。

そんな想いだけ。


「夏帆?」


「ねえ…海斗はボディーガードであたしの傍にいたの?」


そう聞いたときに海斗が少しずつ後ろへ下がるのを

服を掴み直してギュッと力を込めた。




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