好きと嫌いの割合
「てかさー
なんでそんなに早歩きなの?」
いつもそんなんじゃないのに、と付け加えながら
不思議そうにあたしを見る。
「んなもん決まってんじゃない
逃げてんの!!」
「誰から?」
亜美のその言葉を聞いて、ピタッと急停止し
亜美を見ながら
「噂ってのをなめちゃだめなのよ?
すぐ回るんだから!!
あの廊下での出来事なんて、相手が相手だから
すぐ勘違いした人達が飛びついてくるに違いない!!」
「な~るほど!」
早口でしゃべったあたしに
亜美はポンっと手を叩き、
「それなら心配しなくても
もう、教室に押し掛けてるらしいよ?
いつもの取り巻きたちとかが」
それを聞いてゾクッと背中が凍った。