好きと嫌いの割合
「あたしの方が寂しかったよぉ~」
と、恵美さんまで抱きついてくる。
正直言わなくても、息ぐるしい…。
恵美さんはそんなあたしをお構いなしで
「夏帆ちゃん、一緒にケーキ食べない?
雅也って甘いの苦手でしょ?
だから夏帆ちゃんをずっと待ってたの!」
「あ、食べます!!
食べるんで2人共…どいて」
「あ、ごめんね~」
苦し紛れに出したあたしの声に
恵美さん独特ののんびりした声が辛うじて届き
半分は楽になったが
「まだ、1分も経ってねぇーじゃん」
雅兄はまったく退く気配なし…
つか、1分も経ってない…て、何分抱きついてるつもりなんだよ!!
そんな雅兄に
「夏帆ちゃんばっかずるいよ~
あたしもぎゅってして」
恵美さんが助け舟を出してくれた。