好きと嫌いの割合
澄み切った空の下。
いつも通り授業をサボって屋上に
お昼寝しにきて、もう何か月かたった
高校1年生の春の終わり。
仰向けで寝ていたあたしは
目を瞑っていてもいても感じる影によって目を開けた。
「またなの?」
「ねえ? 俺のこと好きになった?」
「…別に」
その言葉を聞こえたのか聞こえなかったのか
寝ころんでいたあたしを覗きこむように見ていたそいつは
あろうことかあたしの隣に寝ころんだ。
「ちょっと!
なに勝手に寝てんのよ」
屋上で一番、日がよく当たる場所。
ここはあたしの特等席だったのに!
「さて、問題です」
今の話を全然聞いてないかのように
口を開く、無礼な男。