好きと嫌いの割合
「あんた…も、もしかして」
「海斗だよ?」
「なんで番号知ってんの?!!」
つい大声で叫んでしまって
雅兄が、ん?とあたしの方を見る。
「なんでもないよ」と雅兄に小声で言ってから
静かにリビングを後にする。
やばい、やばい…
雅兄に聞かれちゃだめだろ!
前に男友達を連れていったときに
散々、男の子がいじめられてたのが、ふと蘇る。
海斗が友達かどうかも怪しいところだけど。
「――で、なんであたしの番号しってるのよ!」
自分の部屋に戻り、気を取り直して海斗に尋ねる。
「…なあ、花春祭さ
相手、俺にしない?」
聞いてることとまったく違うから!!
てか、相手ってなに?
花春祭ってなんかあったっけ…?
“俺にしない?”ってどういう意味?