好きと嫌いの割合
花春祭
少しざわついた教室に溜息一つ。
「犯人は亜美か…」
「う~、ごめん!」
あたしの携帯番号とかは亜美が教えたとか。
「海斗くんの笑顔にやられたのよぉ~」
さっきからこればっかり。
それほどまでに海斗の笑顔は強烈だったらしい。
「―で? 他は教えてないでしょうね」
「い、今のところは」
「人の個人情報は守ってよ?」
「誘惑に負けなければ!」
・・・だめだ、こりゃ
「あ、そうそう。
花春祭の相手ってなに?」
昨日の海斗との会話で一番、意味の分からなかったこと。
「え!教えなかったっけ?」
「聞いてないから聞いてんの」