好きと嫌いの割合

「夏帆ーーー!」


遠くで亜美の声が聞こえたと思ったら

いきなり手を引っ張られ、


「夏帆はこれ来てね!」


そう渡されたのは

ピンクのふりふりメイド服…


――ベタじゃない?

メイド服ってベタじゃない?


「ちょっと、こんなの着るの?」


メイド服をベタだと言っても

実際のところ、着たくないだけで…


平たく言えば、ただの言い訳だ。


「こんなのって言わないの!可愛いじゃん!

 夏帆に絶対にあうって」


いや、似合ってても嬉しくないし。


「ほら、皆はもう着ちゃってるよ?」


亜美の言葉に回りを見渡すと…早ッ!!


写メ取ってる子や

彼氏に自分の姿を見せてる子などなど…


「残るは夏帆だけ!」と言い、

無理やり試着室にぶち込まれてしまった。



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