好きと嫌いの割合
「キミ、海斗とペアの女の子でしょ?」
話し方からして海斗の友達っぽい彼に
苦笑ぎみで頷いた。
いくら話しかけてくれたと言っても
見知らぬ人に馴れ馴れしく話せるほど
人懐っこい性格ではない。
「かっわいーね」
そう言いながら
「へえ~」と品定めしてるかのように
あたしを見る彼。
「どうも――」
一応お礼でも、と口に出した言葉は相手に届く前に弾かれた。
「夏帆に手ぇ出してんなよ」
「お、海斗くーん
可愛いお客さんが寂しそうだったからお相手を」
「手を出すなんて人聞きの悪い」とへらへら笑う彼。
やっぱり海斗と友達だったらしい。
「夏帆、なんもされてない?」
そう、あたしの座っている長イスの横に座る海斗。