好きと嫌いの割合
「あー…うん」
あたしの言葉に
よかった、そう微笑む。
「かっいとく~ん
ご指名でーす」
前に立ってる友達らしい彼は意地悪そうに言う。
その顔と言葉に一瞬、嫌そうな表情をした海斗は
そのままの表情で、
「夏帆、もうちょっと…ごめん!」
「ぜんぜんいーよ」
そんな海斗に
氷が溶け、ぬるくなったオレンジジュースを
飲みながら言う。
ぐげぇ…と、ぬるくなって不味くなったジュースに
顔をしかめていると
「新しいの持ってこようか?」
そう尋ねられて、
素直におねがいしますと頼んだときには
海斗はもういなかった。