好きと嫌いの割合

「やーっとみつけたあ!!」


大きな声で満足げに言うそいつは、


「だれだっけ…」


「え、俺もう忘れられてる?」


いや、ちがうんだよ。

覚えてる。


…顔だけは。


それを感じ取ったのか、


「俺、だって!

直人!」


そう、自分を指差して言う

海斗の友達としか覚えにない直人。



正直に思ってることを顔に出してると

直人は開き直ったように


「俺とペアになんない?」


変わらぬ笑顔を向ける。


「はい…?」


「海斗、忙しーじゃん?

俺くらいなら抜けても大丈夫だし」


「え、でも…」


海斗はほかっといてもいいのか?

チラッと背伸びして海斗のクラスを覗く。




< 43 / 160 >

この作品をシェア

pagetop