好きと嫌いの割合
「やーっとみつけたあ!!」
大きな声で満足げに言うそいつは、
「だれだっけ…」
「え、俺もう忘れられてる?」
いや、ちがうんだよ。
覚えてる。
…顔だけは。
それを感じ取ったのか、
「俺、だって!
直人!」
そう、自分を指差して言う
海斗の友達としか覚えにない直人。
正直に思ってることを顔に出してると
直人は開き直ったように
「俺とペアになんない?」
変わらぬ笑顔を向ける。
「はい…?」
「海斗、忙しーじゃん?
俺くらいなら抜けても大丈夫だし」
「え、でも…」
海斗はほかっといてもいいのか?
チラッと背伸びして海斗のクラスを覗く。