好きと嫌いの割合

「…すご」


中庭に着いたあたしは、あまりの人の多さに唖然。

それなのに海斗は薄気味悪い笑みを浮かべる。


「キモっ…」


「ちょっ!それはないんじゃない!?」


ほんとのこと言っただけなのにな。


「てか、ここでなにがあるか教えてよ」



ーーて、聞いてるのに



「夏帆、こっち」


「あ、ちょっとどこいくの!!」


海斗は辺りを見回してから、中庭の中心に向かって

あたしの手を引いて歩いて行く。



なにがあるのかさえ分からないあたしには

海斗がなにをしたいのかさっぱり分かんない。



< 59 / 160 >

この作品をシェア

pagetop