好きと嫌いの割合
「…すご」
中庭に着いたあたしは、あまりの人の多さに唖然。
それなのに海斗は薄気味悪い笑みを浮かべる。
「キモっ…」
「ちょっ!それはないんじゃない!?」
ほんとのこと言っただけなのにな。
「てか、ここでなにがあるか教えてよ」
ーーて、聞いてるのに
「夏帆、こっち」
「あ、ちょっとどこいくの!!」
海斗は辺りを見回してから、中庭の中心に向かって
あたしの手を引いて歩いて行く。
なにがあるのかさえ分からないあたしには
海斗がなにをしたいのかさっぱり分かんない。