好きと嫌いの割合

声なんて出なかった。

あまりに一瞬すぎて…


出たとしても掠れた声1つくらいだろう。



聞き間違い?

空耳?



でも、確かに聞こえたんだ。


『忠告だから…』

『海斗から離れて』


…って。


通り過ぎた彼女を追うようにあたしの体も動く。

その所為で、

折角、海斗の方を向いたのに見事に反対側を向いてしまった。



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