RIRIA
自分に戻る瞬間に
†††††††††††††††††
「……ア……リア!」
はっとして、我に返った。
顔を上げると、エリザベスが不思議そうに首を傾げてこっちを見ていた。
「どうしたのです?あなたが上の空とは珍しいですわ」
朝食の席。
長テーブルで食事をするエリザベスの横に立っていたリアは、あろうことか考え事に没頭して、主人の呼びかけすら聞こえていなかったようだ。
「申し訳ありませんっ……」
ぺこりと頭を下げると、クスリと笑った。
「怒っているのではなく、心配しているのです。友達として」
ふわりと、エリザベスは微笑んだ。
エリザベスは、知っている。
リアが本当は女だということを。
それでも、リアとエリザベスは主従の関係である前に、幼なじみでもあるので、複雑な事情を理解して黙っている。
そんな彼女はリアの悩みなどすぐに見抜いてしまうようだった。
リアは、自分の胸元に、まだあの懐中時計を忍ばせていた。
捨てることも、部屋に置いておくこともできずに結局持って来てしまった。
それと同時に昨日の出来事を思い出し、上の空になってしまったのだった。
「なんでもないんです。心配しないで下さい」
心配をかけないようにエリザベスに微笑むと、ひとまずは納得してくれたようでエリザベスは食事に戻った。
「……ア……リア!」
はっとして、我に返った。
顔を上げると、エリザベスが不思議そうに首を傾げてこっちを見ていた。
「どうしたのです?あなたが上の空とは珍しいですわ」
朝食の席。
長テーブルで食事をするエリザベスの横に立っていたリアは、あろうことか考え事に没頭して、主人の呼びかけすら聞こえていなかったようだ。
「申し訳ありませんっ……」
ぺこりと頭を下げると、クスリと笑った。
「怒っているのではなく、心配しているのです。友達として」
ふわりと、エリザベスは微笑んだ。
エリザベスは、知っている。
リアが本当は女だということを。
それでも、リアとエリザベスは主従の関係である前に、幼なじみでもあるので、複雑な事情を理解して黙っている。
そんな彼女はリアの悩みなどすぐに見抜いてしまうようだった。
リアは、自分の胸元に、まだあの懐中時計を忍ばせていた。
捨てることも、部屋に置いておくこともできずに結局持って来てしまった。
それと同時に昨日の出来事を思い出し、上の空になってしまったのだった。
「なんでもないんです。心配しないで下さい」
心配をかけないようにエリザベスに微笑むと、ひとまずは納得してくれたようでエリザベスは食事に戻った。