RIRIA

真夜中の訪問者

リアは、王宮にある、王女の私室の少し手前に位置する自分の私室で休んでいた。

ベスト姿の楽な格好で、紅茶を飲む。

剣は、ベッドの横の棚に立てかけてあった。

十歳のときに王女の護衛についてから七年間、リアは自宅であるフィルダーストンの邸宅に帰らずに、朝も夜も王宮で過ごしていた。

もしも夜中に王宮に侵入者があれば、リアはすぐに私室から飛び出し、王女の元に駆けつけなければならない。

そのおかげで、リアは常に気を張って生活せねばならなかった。


先ほどのような夜会に出席すると、リアは特に疲れるのだった。

貴婦人たちの甘い誘い、紳士たちの羨望、あるいは嫉妬の眼差し、王女のわがままを聞き、その身を守る役目。


世の紳士たちが使う数倍の体力を、リアは社交界において使うのだった。