RIRIA
「ふぅ……」

もう、王女も眠っている時間だった。
束ねていた髪を、静かに下ろす。

月明かりでリアの金髪はより輝いた。
そのまま、リアはドレッシングルームへ向かった。

リアの私室には、基本的に侍女や召使いを近づけないことになっている。

それはリアが、人を使うことを嫌うからだと、名目上ではそうなっている。


ベストのボタンを外し、脱いだ。
薄いシャツのボタンを、ひとつひとつ外す。

大きく開いた胸元は、白い包帯で隠されていた。





「やっぱり、アンタ女じゃねぇか」



突然、声をかけられ、リアは勢いよく振り向いた。
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