はちまきに想いを込めて
体育祭も中盤に差し掛かり、あたしたちの赤組は2位。
1位との差は、わずか30点。
このままいけば、リレーで巻き返しは充分できる。
お昼になり、
あたしは、暁未ちゃんとお弁当を食べていた。
得点板の後ろの木陰。
ほとんどの生徒は、食堂や校舎の中で食べているみたいだ。
あたしと暁未ちゃんのいるそこは、横の通路を何人かの生徒が行き来する。
その時。
「あっ、結愛!」
声がして振り向くと、
そこには敬吾くんがいた。
「敬吾くん!」
「今、お昼?」
「う、うんっ。
敬吾くんはもう食べたの?」
「うん。応援の練習あるし」
敬吾くんは、応援団にも入ってる。
出る競技もいっぱいだし、大変そうだ。