はちまきに想いを込めて
「じゃ、俺行くね」
「うん、頑張ってね!」
「おう」
そう言って、敬吾くんは走り出した。
「あっ」
かと思うと、振り返ってこう言った。
「結愛!
リレー、頑張ろうね!」
とびっきりの笑顔の敬吾くんに、胸はドキドキと高鳴って。
「う、うんっ!」
裏返りながらも、あたしは返事をした。
あー、やっぱり好きだよ…
敬吾くんが大好きだよ…
はちまき、もらえるといいな。
その時、
暁未ちゃんが口を開いた。
「結愛、今はちまきちょうだいって言えば良かったのに」
卵焼きを口に運びながら、暁未ちゃんは言う。
「い、言えないよっ」
「なんで?
今だったら、絶対交換してくれたよ?」
「だ、だって」