はちまきに想いを込めて
いよいよ、最後の競技、
色別対抗リレー。
あたしたちのクラスの代表は、あたしと敬吾くん。
3年を差し置いて、あたしたちのクラスがアンカーになってしまった。
だからもちろん、アンカーは敬吾くん。
敬吾くんのためにも、あたしが頑張んなくちゃ。
「リレーに出る人、こちらに集合して下さーい」
係の声で、入場門へと並ぶ。
あたしの隣には敬吾くん。
「結愛、頑張ろうね」
「う、うん」
少し緊張した声で応えると、
敬吾くんは笑いながらあたしの頭に手を乗せた。
「そんなに緊張すんなって。俺も頑張るし。ねっ?」
「うんっ」
敬吾くんは、安心したようにふにゃっと笑った。
敬吾くんの一言で、何でもできちゃう気がするよ。