はちまきに想いを込めて
閉会式も終わり、片付けも終わった。
あたしは敬吾くんを探す。
はちまき交換、してもらうために。
人が散らばっていて、探しづらい。
フェンスの近くに、敬吾くんを見つけた。
あたしは敬吾くんに向かって走り出した。
その時。
「久賀く~ん」
敬吾くんの名前を呼びながら、近寄る二人の女子。
確か、隣のクラスの人だ…。
「はちまき、交換してー」
そう言って、はちまきを差し出すその人。
やっぱり、あたし以外にも敬吾くんとはちまき交換したい人はいるんだね…
あたしはその場から走り去った。
見たくない。
敬吾くんが他の人と、はちまき交換するところなんて。