はちまきに想いを込めて
その時、
敬吾くんがあたしの目を見ながら言った。
「はちまき、交換してほしい」
「………え?」
そう言う敬吾くんの手には、確かにはちまきが握られてた。
「俺、ずっと結愛が好きだった」
敬吾くんの言葉に、あたしの目からは涙が溢れ出した。
あたしを、好き…?
信じられなくて。
言わなきゃいけないことが、全部涙に変わった。
「うっ…うぅ………」
あたしの泣く声だけが、その場に響いていた。
そんなあたしを、敬吾くんはふわりと抱き寄せた。
「結愛…
俺、いいように解釈していい?
結愛が俺を好きだって、思ってもいい?」
敬吾くんの言葉に、あたしは必死に頷いた。
すると、抱きしめる力が強くなった。