はちまきに想いを込めて
「俺もチャリだから。一緒に帰ろっ」
そう言って敬吾は、あたしの手をとった。
敬吾の手から伝わる温もりが、こんなにも安心させてくれる。
あたしは、繋いだ敬吾の手を勢いよく引っ張った。
そして、耳元でこう言った。
「敬吾、だーい好き」
恥ずかしそうに赤くなる敬吾。
けれど、すぐに満面の笑みで笑ってくれたんだ。
今まで遠かった敬吾が、こんなに近くで笑ってる。
その笑顔だけで、あたしは生きていけるよ?
それぞれが持ってる、はちまきに想いを込めて。
あたしと敬吾は、これからも一緒だよね。
大好きだから。
《END》