はちまきに想いを込めて
「でもあたし、不器用だから…」
「俺やったげようか?
こう見えても、美容師目指してるんだ♪」
「え……///」
そう言って、あたしの髪をいじりだす。
しかも、鼻歌を歌いながら。
あたしはそのまま固まっちゃって。
胸がドキドキいって、息をするのも精一杯。
「でーきたっ♪」
敬吾くんは、あたしのポーチから鏡を取り出すと、
目の前に出した。
「どう?」
「わ、すごい……」
あたしの髪の毛は、器用に編み込まれて、
二つにくくられていた。
「すごい、めっちゃ可愛い」
「ありがと」
あたしが素直な感想を言うと、
敬吾くんは満足そうに笑った。