はちまきに想いを込めて
「またいじってもらいたくなったら言って?
いつでもやるからさ」
「うん。ありがとー」
敬吾くんはピンを止めたまま、笑顔で去っていった。
あたしは、いじってもらった髪の毛を見つめる。
敬吾くんがやってくれたってだけで、
魔法がかかったみたいに輝いて見えるんだ。
恋の力ってすごい。
「結愛ー。
久賀にやってもらったの? それ」
その時、
友達の暁未(あきみ)ちゃんがやってきた。
あたしの髪型を見ながら問いかける。
「うん♪」
「珍しいねー。
久賀、絶対に自分からはやってくれないのに」
「そうなの?」