The Last Story
門内にて...
ロアとティルは城内に入るため出来るだけ憲兵のいない入り口を探していた。人がまだ入りきっていない目撃されにくい今がチャンスだった。
2人は草むらに隠れながら城の左側へと回りこんで行く。
警備は予想以上に凄く8人ほどの武装した騎士団が何度も巡回しており何度かすれ違った。
6回ほどすれ違った頃だろうか。行く手に城の地下への入り口があった。憲兵もそれほどいないようだった。
ティルは双眼鏡で入り口の方を見ながら憲兵の人数を数える。
『なあティル。さっきのユウイとか言う男、性をロードとかいってなかったか?』
その言葉にティルが数えながらうなずく。
『ああ、言っていましたね。ロアはあの方がお気に入りですか?いきなり名乗るなんて。』
その言葉にロアは笑ってごまかしながら言う。
『あはは、ついついねぇ。それよりロードってのどこかで聞いたことあるんだよなあ』
ティルはまったく。と半ばあきれ気味である。
『私は聞いたことが無い名前ですねー。きっと気のせいですよ。それよりも地図が腕輪って事はやっぱ王を探さないといけないって事ですよね』
そう言ってティルは双眼鏡を折りたたみポケットに片付ける。
『そなんだろうな...まあ何とかなるだろう。ひとまず玉座に向かえば何とかさ』
ロアはそう言いながら城の天辺を見つめる。
ティルははあとため息をつきながら戦闘用に装備を身に着けていく。
ロアも手袋をすると手をパキパキと鳴らしながら憲兵がいる小さな入り口の方へ歩いていく。それに装備を終えたティルも続いていく。
『人数はおそらく4人でしょう。ちゃっちゃと片づけちゃいましょう』
そう言ってティルは服の中から鞭を取り出す。
『双眼鏡でちゃんと数えたんじゃなかったのかよ....』
ロアが文句を言いながら拳を作る。
入り口を警備していた憲兵は堂々とこちらに歩いてくる2人組に気付く。一人の憲兵は立ち入り禁止区域だと注意しようとと近づいていくも、2人の町の村人とは程遠い装備を見るや腰から剣をとり後ろの仲間に応援を呼ぶ。
『さあ、始めよう』
そう言うとロアとティルは憲兵に向かっていった。




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