The Last Story

姫の逃亡劇の開幕

剣を預けてユウイは門をくぐる。
入って直ぐに目に入るのは一面に広がる大庭園であった。大庭園にはいろいろな色のバラが咲き誇っていて、門をくぐった町の人々はその見慣れない美しい世界に引き込まれていた。
庭園を歩いていると町の人々も多くすれ違うがそれ以上に武装した憲兵とよくすれ違うことに気付く。
これは城に入るのは苦戦しそうだな....
ユウイはひとまず行ける所までの城の周囲の様子を見ようと城の左端へと向かって歩き始めた。草むらの中を隠れながら歩いていて様子がおかしいのに気付いたのは町の人の姿を見なくなるまで進んだ直ぐのことであった。明らかに憲兵が自分のいる左側に向かって終結している。おかしいと思いつつも先へと行くと地下へと向かう所に数十人の憲兵が集まっている。憲兵はごそごそと何かを話している。聞き取れたのは"2人"と"盗賊"という2言である。
どうやら自分より先に侵入した者がいるようだ。警護のレベルが高くなるのは困るがこれはチャンスでもある。今なら右側の憲兵もこっちに来てそちらの警護の数が少なくなっているはずだ。ユウイは音を立てないように急いで右側へと歩いて行った。