The Last Story

籠の鳥

フォンティア。世界有数の大城にして世界最高峰の防壁と兵力を有する城として名をはせている。そのため今だかつて崩落したことも無く、敵無しの城として有名である。
しかしこんな世界一安全な城に住者にもこの城から一刻も抜け出したいと思っている者がいる。
城の窓辺に気難しく空を眺める1人の少女がいた。
現王の娘ロクシャーネ、彼女は外に憧れていた。まだ一度も出たことが無い外に。
ロクシャーネは視線を落とし防壁を見る。防壁は自分の身長の何十倍もの高さで城の周りを囲っている。防壁をなぞる様にして見ていると門がある。月に数度しか開かれない門。その唯一出れそうな場所にも門をでると橋があり空いた時にしか橋は下ろされない。それも数分である。
こうして何度も頭の中での逃亡は毎度のごとく失敗する。
ロクシャーネはその結末に一人ため息をつく。