サクラ咲く頃に
放課後―。





「あっねぇ千尋!」





「んー?」





「どうしてさ、あんなに『格好良い』って言ってたのに、好きにならないの?」




千尋は一瞬ためらった。




「うーん。だって、顔は良くても性格はどうか分からないじゃん?まだ私、裕樹くんの性格知らないし。ファンってだけで良いかなって!」





「そうなんだ~…」





「それより夕!頑張りなよー!」





「何がぁ?」





「裕樹くんだよっ!」






「な、何を頑張るの…?」






「久しぶりに見たからさ。夕が男と喋ってるの」





「そ…そう?」





「そうそう!」
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